[書評] デザイン組織のつくりかた

Daisuke Hayashi
ProjectDD
Published in
3 min readFeb 18, 2018

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書籍「デザイン組織のつくりかた デザイン思考を駆動させるインハウスチームの構築&運用ガイド」を読みました。

本書には「デザイン組織」の構築&運用方法のノウハウが詰め込まれています。(中略)まさに今の日本に必要な「デザイン組織のための組織デザイン」入門としておすすめしたい一冊です。

書籍の序盤では、いわゆる「デザインとは?」について。組織におけるデザインの可能性や役割について定義しています。
中盤から後半にかけては「組織体系」「採用」「デザイナーの職種」「ミーティング」「デザインチームの文化」について。
それぞれについて、“デザイナー”という生き物の特性を軸にして、一般的な職種との違いに触れているのが特徴的です。

現在、私は8名のデザイナーが属するチームのマネージメントをしています。今私自身が気になっている「デザインの品質基準」「レビュー・批評」「メンバーの成長」について、意識して読みました。

書籍で気になったポイントをいくつか抜粋していきます。

・「完璧さよりも価値の提供を優先する」。何か影響を与えたいと心から願うなら、作業をやめて制作物を世に送り出さなければならない。・・・とはいうものの、とりあえず質の悪いものを出荷してあとで直せばいいなどと考えてはならない。

・人を育てるチームは、メンバーの成長意欲を真剣に考える。マネージャーはメンバーがどう成長したいと思っているか理解するべきだ。・・・有能なデザインマネージャーは、指示は最小限にとどめ、たくさんの助言を与える。

・優れたデザインチームには共有の価値観がある。「協力とサポート」「制作時間を尊重」「敬意を持って批評し合う」「誰もが尊重され、同じ機会を与えられる」「品質を確立し維持する」「だいじなのは結果。エゴではない」

・品質基準を維持するために不可欠なのは、批評の場である。「目的と結果の観点からフィードバックする」「相手に敬意を払いつつ、率直に」「全員が意見を言い、リーダーは最後に発言する」

デザイナーからマネージメントになった人には、会社という組織の中でどのように存在感を出していけばいいか、また非デザイナーでデザインチームのマネージメントをしている人には、デザイナーが思っているインサイトを理解できる、そんな一冊だと思います。

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