[書評]岩田さん — 岩田聡はこんなことを話していた。

Daisuke Hayashi
ProjectDD
Published in
3 min readApr 26, 2020

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書籍「岩田さん — 岩田聡はこんなことを話していた。」を読みました。

任天堂の元社長、岩田聡さんのことばをまとめた本です。
ほぼ日刊イトイ新聞に掲載されたたくさんのインタビューや対談、そして任天堂公式ページに掲載された「社長が訊く」シリーズから重要なことばを抜粋し、再構成して1冊にまとめました。

私はこの本を読むまで岩田聡さんのことを存じ上げませんでした。
「任天堂の社長が亡くなった」というニュースをうっすら記憶していた程度。どのような人柄で、どのようなキャリアを歩み、どのような実績をあげたのかも知りません。

今回この本を手に取ったのは、Amazonでのレビュースコアが高く、コメントも良いものが多かったから。そのコメントの数々も愛に溢れているというか、あたたかいものが多かったと記憶しています。

実際読んでみて、ビジネス書なんだけどガツガツしてないというか、ポジティブにほんわかしていると感じました。「ほぼ日」の書籍であることも要因でしょうが、岩田さんの人柄によるものも大きいのではないでしょうか。

書籍では、岩田さんなりのマネジメント手法や考えもたくさん触れられていますが、岩田さんがプログラマー出身ということもありモノづくりに対する姿勢が多く書かれていることが特徴です。とくに任天堂という世界が注目する企業で、世の中にないものを作り上げるための思考が書かれているのが特徴的です。

私はデザイナーとしてキャリアをスタートし、ここ数年はマネージメント職に就いています。そりゃ岩田さんと比べれば規模も責任の大きさも比べものになりませんが、たくさん参考になるコトバが並んでいました。

エンジニア・デザイナー・ライターなど、クリエイティブやモノづくりに携わるリーダー・マネージメントの方には共感するところが多い一冊になっていると思います。

最後に、特に印象深かったコトバを5つほど抜粋させてください。

わたしは「人は全員違う。そしてどんどん変わる」と思っています。…人が変わっていくんだということを理解しないリーダーの下では、わたしは働きたくないと思ったんです。

面談のプログラムのなかで、唯一決まっているのが「あなたはいまハッピーですか?」という最初の質問でした。

世の中のありとあらゆる改革は現状否定から入ってしまいがちですが、…誠実にやってきたアウトプットに対して現状否定をすることは、やってはいけないと思うんです。

岩田さんがすごいのは、力があるのに謙虚だというところ。…いつも謙虚で、人を支えたり立てたり持ち上げたりする。…いろんな人に配慮しながら、関係する人たちを腐らせずに活かしていく。

現実には、
苦労しないでものができるはずはないんです。
ただ、現場のスタッフに悲壮感が漂わないところが、
みんながニコニコ笑って遊べる商品に
仕上がる理由なんじゃないかな。

現在ほぼ日のwebサイトで、書籍の半分を無料公開しています。https://www.1101.com/books/iwatasan/free/

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