デザインによって議論を促すことが、デザイナーの醍醐味のひとつ

Daisuke Hayashi
ProjectDD
Published in
3 min readJun 27, 2020

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仕事の醍醐味というのは人それぞれだと思います。職種の数だけ、いや働く人の数だけ様々です。

私はオンライン旅行会社でUIデザイナーをしていますが、デザイナーとしての醍醐味も様々で、人によって違ってくると思います。

  • 素敵な・かっこいいデザインでサービスをローンチできる
  • CVRや離脱率の改善ができ、会社に貢献できる
  • デザインによってブランド価値を高めることができる

などなど、いろいろあると思います。

私が感じるデザイナーとしての醍醐味のひとつに「デザインによってチームでの議論を活性化させることができる」があります。

例えば複雑な要件定義がされている案件があったとします。文章でツラツラと「こんなことを実現したい」「これを掲載したい」など要件が書かれています。ときにはワイヤーフレームが用意されていることもありますが、要件が複雑であればあるほど、文章だけだったり、簡易なワイヤーフレームでは、イメージがつかないことがあります。

文章と簡易なワイヤーフレームのイメージ(笑)

そこでデザイナーの出番です。デザイナーが要件を咀嚼(そしゃく)し、試行錯誤をしてデザインに落とし込むことで、はじめて視覚的に情報や要件が整理され、見える化されます。

視覚化されることで、デザイナーではない人たちも含めてチームで認識をそろえることができたり、逆に課題が見えてきて新しい議論がはじまったりすることがあります。

要件やワイヤーじゃイメージできなかったことが、デザインになってはじめてハラオチできて「あーでもない、こーでもない」と話が盛り上がる…あの感じです。

私はこのようにデザインによって、チームでの議論が活性化した瞬間に、デザイナーとしての仕事の醍醐味を感じます。

ときに「議論を促すためにデザインをする」という仕事をしているときもあるかもしれません。要件が複雑であればあるほど、議論となりそうなポイントが浮き出るようパターンをいくつか用意する。

視覚化されたものによって議論をうながして、チームが同じ方向を向き、要件や仕様をかためていくことに貢献できるのがデザイナーです。

今はZoomなどビデオ会議をする機会が多いので、リアルタイムでデザインを作ってみて議論を促すこともできます。

「こうしてみてはどう?」

なんていうフラッシュアイディアをうけて、ビデオ会議越しにFigmaなどのデザインツールを触って

「いいじゃんいいじゃん」とか
「あれ、やっぱりなんか違うなぁ」とか

…すぐに視覚化し、議論していく感じ。こんなことが実現できたら、デザイナーの存在感を高めるチャンスでもありますよね。

そしてこのフェーズでは完璧なデザインである必要はありません。大切なのは「スピード」と「何が課題であるかを見極めるチカラ」です。細部はそのあとに詰めればよくて、いかに早く視覚化して、議論して…を繰り返せるかが重要だと感じています。

P.S. この記事とほぼ同じ内容をstand.fmで喋っています。もしよろしければ聴いてみてください↓

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